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制度案内・雇用環境改善

林業における雇用管理の現状

林業は地域の森林を守り、資源を育てる重要な産業です。事業者にとっては、若者や新規就業者、地域外人材など多様な人材を安定して確保し、育成することが、持続可能な経営の鍵となります。しかし、かつての林業は短期雇用や日雇い中心で不安定な働き方が多く、給与・待遇や安全面の課題が事業運営の妨げになることもありました。

近年は、国や自治体による支援制度や施策が整備され、事業者が安心して雇用管理を行える環境づくりが進んでいます。本ページでは、林業事業者向けに提供されている雇用管理・処遇改善・担い手育成の支援制度や、働きやすい職場づくりの取組についてご紹介します。

1. 林業労働力をめぐる現状
と課題

林業従事者数は平成27(2015)年から令和2(2020)年にかけて横ばいで推移し、現在は約4万4千人で安定しています。近年は若年層の定着も進み、平均年齢も平成7(1995)年の56.2歳から令和2(2020)年には52.1歳へと低下しました。素材生産従事者も横ばいで推移し、40代前後を中心に新たな担い手が育っています。高齢層の退職が進む一方で、若年層が恒常的に就業することで、業界全体の年齢分布は平準化しつつあります。

しかし、将来の森林整備や資源循環を支えるには、まだ十分とは言えません。事業者としても、安定的に人材を確保・育成するために、働きやすい職場環境を整え、魅力ある職場づくりに取り組むことが不可欠です。

働きやすい職場をつくるには

働きやすい職場をつくるために、雇用主が整えるべき制度や手続きをまとめました。

雇用主が整えるべき制度や手続き

林業労働力を増やすには

林業未経験者を新規就業させ、技能・技術を研修等で育てていくことを支援する制度である「緑の雇用」もご覧ください。

緑の雇用

2. 担い手確保と育成の取組み

かつては短期雇用や日雇い中心で不安定だった林業も、近年は改善が進みつつあります。事業者が取り組むべきポイントとしては、雇用の安定化と賃金・待遇改善が挙げられます。

年間就業日数210日以上の雇用労働者の割合は令和4(2022)年度で67%に達しており、林野庁は令和7(2025)年度までに77%まで引き上げることを目標としています。これに伴い、月給制の導入や社会保険加入率も上昇しています。ただし、地域や事業体によって差があるため、全国的に誰もが安心して働ける仕組みを定着させることが今後の課題です。

また、年間平均給与も上昇傾向で、安定した収入が得られる職場も増えています。林業技能検定や能力評価制度により、技術や経験に応じた処遇改善も進んでいます。しかし、依然として全産業平均より低い賃金水準の事業体もあるため、さらなる待遇改善が求められます。専門性を磨き、努力が正当に評価される職場づくりは、若手や新規就業者の定着につながります。

研修の活用

林業の将来を支えるためには、若手や未経験者が安心して就業できる環境づくりが欠かせません。現在、各地では「林業就業支援講習」など、林業に関心を持つ人々に向けた入職支援や情報提供が行われています。

就業後も、現場で必要な技能を段階的に学べる人材育成制度や、資格取得支援、事業体によるOJT(職場内訓練)など、学びと成長の仕組みが整いつつあります。また、女性や移住者など多様な人材が活躍できるよう、柔軟な働き方の導入や、安全で快適な職場づくりの取組も広がっています。

「緑の雇用」事業をはじめ、滋賀県林業労働力確保支援センターが実施する講習・相談会や、全森連(JForest 全国森林組合連合会)による研修など、事業者向けの学びの場も充実しています。対象は、森林組合系統や林業事業体の経営者・管理職、人事・総務担当者などで、最新の制度情報、人手不足解消の取組、職場の魅力づくり、能力評価制度の活用法など、実務に役立つ内容を学べます。安定した雇用環境づくりや処遇改善を進めるうえで非常に有益なプログラムです。

各種講習・研修の詳細は、以下をご確認ください。

研修のご案内
緑の雇用事業の研修

制度の活用

滋賀県では、林業事業体の経営基盤の強化や人材確保・育成を支援するため、さまざまな制度が用意されています。これらの制度を上手に活用することで、安定した雇用環境の整備や事業の持続的な発展につなげることができます。

主な支援内容としては、新規就業者の雇用支援、資格取得や研修受講の助成、高性能林業機械の導入支援、職場環境改善のための設備整備補助などがあります。また、「意欲と能力のある林業経営体」の登録を受けたり「林業労働力の確保の促進に関する法律に基づく認定事業主」となることで、国や県の重点的な支援を受けやすくなる制度も設けられています。

さらに、「緑の雇用」事業をはじめとした人材育成支援制度を活用すれば、従業員のスキルアップを計画的に進めることができ、定着率の向上にもつながります。研修費用の助成や、就業者の安全教育・能力評価に関する支援なども充実しています。

県や森林組合連合会、林業普及センターなどの関係機関と連携し、最新情報を積極的に収集・活用することが、安定した経営と人材の定着に大きく寄与します。
支援制度の詳細は、以下をご確認ください。

3. 人材育成や定着支援の取組み

多機能を有する森林を持続的に維持・管理していくためには、地域の特性を生かした多様な取組が求められます。全国各地では、例えば「林業女子会」の活動、「広葉樹を活用した通年雇用(冬季の炭焼き)」〈山形県〉、「林福連携による新たな担い手確保(福祉施設と連携した植栽作業の試験雇用)」〈岩手県〉など、新しい動きが始まっています。これらの取組を通じて、女性をはじめとする多様な人々が参入しやすい環境を整え、林業の職場をより魅力的なものにしていくことが重要です。

今後は、こうした人材育成や定着支援の取組を地域ぐるみで推進し、持続可能な森林経営の担い手づくりを一層進めていくことが求められます。

WANTED

今、森林資源の適切な管理や次世代
への継承のために、現場では新たな
人材が強く求められています。